お世話になっております、清光です。

引越営業を10年、見積は1万5000件以上こなしております。

その経験を活かして、皆様に引越に関する有益な情報をお送りできればと思い、日々投稿活動をしております。

「新居に運んだはいいものの、冷蔵庫やドラム式の洗濯機が入らなかった」。そんな事態、他人事だと思っていませんか?

実はこれ、現場ではよくあるトラブルです。しかも当日その場で気づいても、業者にできることは限られます。

ただ、先に言っておきたいことがあります。ネットの搬入記事はほとんどが「玄関ドアの幅を測れ」と書いていますが、現場の感覚は違います。玄関はまっすぐ入れるだけなので、あまり引っかかりません。本当に引っかかるのは、階段の踊り場、階段の天井、風呂場の入口です。

この記事では、現場で実際に何が入らないのか、入らないと分かったとき業者が何をするのか、そしてお金がいくらかかるのかを、営業の実務からお伝えします。

搬入前に玄関ドアの有効開口を測る手元
測るのは玄関だけでは足りない

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現場で実際に「入らない」もの

搬入で入らなくなるものは、だいたい決まっています。多い順に書きます。

入らないもの入らなかったときの手
大型冷蔵庫手では上げられない。クレーン車が必要
ソファー手吊りで窓から上げられることが多い
タンス・本棚手吊りで窓から上げられることが多い
ドラム式洗濯機押し込めることはあるが、置き場所の入口で止まる
食器棚分解できるものは分解して通す
マットレス手吊りならたいてい通る

大事な線引きがひとつあります。木の家具やソファーは、作業員が手で吊って窓から上げられます。大型家電は無理です。冷蔵庫やドラム式を人力で窓から上げることはできないので、クレーン車になります。

冷蔵庫は「幅か奥行きが70cm以上」で警戒する

冷蔵庫について、営業が頭の中で使っている基準はひとつです。幅か奥行きのどちらかが70cmを超えたら、搬入経路を疑います。

70cm未満の冷蔵庫はたいてい通ります。70cmを超えると、階段の踊り場で回せない、階段の天井に当たる、という事態が起き始めます。お手持ちの冷蔵庫の幅と奥行きを見て、どちらかが70cm以上なら、この先を必ず読んでください。

引っかかる場所は玄関ではない。測るべき3つの場所

現場で引っかかる場所を、多い順に挙げます。

  1. 階段の踊り場。折り返しで大物を回せない。ここが一番多い
  2. 階段の天井。斜めに持ち上げたとき、上の階の天井や梁に当たる
  3. 風呂場の入口。ドラム式洗濯機の置き場所の扉が狭い

玄関ドアは、まっすぐ入れるだけなので意外と引っかかりません。キッチンも、扉を外せばだいたい入ります。間取り図で心配になるのはたいてい玄関とキッチンですが、現場で止まるのは階段と風呂場です。

測るなら、この3か所です。

測る場所何を測るか何と比べるか
階段の踊り場踊り場の幅と奥行き大物の幅・奥行き。回すには対角線の余裕が要る
階段の天井階段の途中で一番低いところの高さ大物を斜めに立てたときの高さ
風呂場の入口扉を開けた状態の実寸ドラム式の幅・奥行き

正直に言うと、これを測っても「絶対に通る」と言い切るのは難しいです。営業も、聞いただけでは分からないのが本音です。ですから見積もりのときは、リスクの説明と、入らなかった場合のオプション料金の案内をします。「通るかどうか」を保証するのではなく、「通らなかったらこうなります、いくらかかります」を先に言っておく。これが実務です。

入らないと分かったとき、現場は何をするか

当日、大物が経路で止まったとき、作業員が取る手は順番が決まっています。

  1. 分解できるものは分解して通す。食器棚や組み立て家具は分けて運び、中で組み直します
  2. 扉を外す。室内の扉は蝶番から外して通します。ただし扉の脱着は補償の対象外です。傷がついても業者は責任を負えないので、ここはあらかじめ承諾をいただいてやります
  3. 木の家具・ソファーは窓から手吊りで上げる。ただし、これは事前に分かっていて準備している場合です。当日いきなり「吊ってください」は、人数も道具も足りないことがあります
  4. それでも無理なら、いったん仮置きしてクレーン車を手配する。大型冷蔵庫はこれしかありません

ここで大事なのは3番目です。手吊りは「準備していれば」できます。見積もりの段階で「これは窓から上げるかもしれません」と分かっていれば、人数と道具を用意して来ます。当日その場で判明すると、できることが減ります。

お金はいくらかかるか

ここが一番聞かれるところなので、実務の相場を書きます。

作業費用の目安
木の家具・ソファーの手吊り無料の会社がある。会社による
クレーン車での吊り上げだいたい2万5000円+税から
ドラム式を狭い置き場所に押し込んだ場合の排水工事特殊排水になり1万円以上
取り付け時の部品代0円から2万円超まで幅が広い。かからない確率が5割以上
エアコンの配管ホースほぼ交換になる

クレーン車は、どこの会社でもおおむね2万5000円+税からです。ここは事前に分かっていれば見積もりに織り込めるので、当日に驚く金額ではなくなります。

部品代は本当に幅があります。かからないことのほうが多いのですが、取り付けをする業者と現場の状態によって、2万円を超えることもあります。エアコンの配管ホースだけは、ほぼ交換になると思っておいてください。

実例:61cmの開口に60cmのドラム式を押し込んだ結果

経験上よくあるケースですが、幅60cmのドラム式洗濯機を新居へ運んだところ、置き場所の入口の有効開口が61cmしかありませんでした。

途中までは2名で作業できたのですが、最後は1名で壁を擦りつつ押し込む形になりました。もちろん、お客様の承諾をいただいてからの作業です。

押し込むことはできました。ただ、置き場所が狭いために排水が通常の形で取れず、特殊排水の工事になりました。これで1万円以上かかっています。「入った」で終わりではなく、「入ったけれど、その後にお金がかかる」というのがドラム式の怖いところです。

この記事の冒頭で「風呂場の入口」を測る場所に入れたのは、この実例があるからです。

入らなかった家電は、その後どうなるか

ここも先に知っておいてください。当日、経路で止まって、分解も扉外しも効かなかった場合です。

  • クレーンで入れられそうなら、その場に置いて帰り、クレーン車を手配して後日入れます
  • クレーンでも無理そうなら、処分するか、お客様が売却するか。ここはお客様の判断になります
  • 処分の引き取りが当日にできない場合は、後日改めて伺うこともあります

つまり、業者にできるのは「後日クレーンで入れる」か「置いていく」のどちらかです。入らなかった家電を業者が持ち帰って何とかする、ということはありません。だからこそ、見積もりの段階で「入らなかったらどうするか」を決めておくことに意味があります。

読者が次に気になる疑問に先回り

Q. 玄関ドアは測らなくていいのですか?

測っても構いませんが、優先順位は低いです。玄関はまっすぐ入れるだけなので、現場で止まることはあまりありません。先に階段の踊り場と天井、ドラム式なら風呂場の入口を見てください。

Q. 間取り図を見せれば判断してもらえますか?

正直、間取り図では分かりません。壁の中心から測った数字で書かれていて、実際の通り道の寸法ではないからです。営業は間取り図を見ても「たぶん」としか言えないので、リスクと料金の説明をします。

Q. 少しキツそうなときはどうすれば?

見積もりのときに必ず伝えてください。事前に分かっていれば、扉外しや手吊りの準備をして来られます。当日いきなりでは、できることが減ります。追加料金や積み残しといった当日のトラブルについては、引越のときのよくあるトラブルとその対策(追加料金や積残し編)もあわせてご覧ください。

Q. 吊り上げになったらいくらですか?

木の家具やソファーを作業員が手で吊る場合は、無料の会社もあります。クレーン車を使う場合は、だいたい2万5000円+税からです。大型冷蔵庫はクレーン車になります。

Q. 扉を外して傷がついたら補償されますか?

されません。扉の脱着は補償の対象外です。だから業者は、外す前に必ずお客様の承諾を取ります。

まとめ:測るのは玄関ではなく、階段と風呂場

  • 入らないものは、大型冷蔵庫・ソファー・タンス本棚・ドラム式・食器棚・マットレスの順に多い
  • 木の家具は手吊りで窓から上げられる。大型家電は人力では無理で、クレーン車になる
  • 冷蔵庫は幅か奥行きが70cm以上で警戒する
  • 引っかかる場所は、階段の踊り場、階段の天井、風呂場の入口の順。玄関はあまり引っかからない
  • 現場の手順は、分解、扉外し(補償対象外)、手吊り(準備していれば)、仮置きしてクレーン
  • クレーンは2万5000円+税から。部品代は0円から2万円超まで幅があり、かからないことのほうが多い
  • 入らなかった家電は、後日クレーンで入れるか、処分か売却。業者が持ち帰ることはない

採寸は5分で済みます。ただ、測る場所を間違えると5分が無駄になります。玄関ではなく、階段の踊り場と天井、ドラム式なら風呂場の入口。この3か所を測って、キツそうなら見積もりの段階で伝える。それだけで、当日に立ち往生する事故のほとんどは避けられます。

こちらの情報が、皆様に役立てたら嬉しく思います。

引越しに関する投稿をお送りしようと思います。

今後とも宜しくお願い致します。

また、皆様からの質問やご意見お待ちしております。

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