引越しの「積み切り」は当日揉めやすい?営業が教える台数の決め方
お世話になっております、清光です。
引越営業を10年、見積は1万5000件以上こなしております。
その経験を活かして、皆様に引越に関する有益な情報をお送りできればと思い、日々投稿活動をしております。
「積み切り」という頼み方を、聞いたことはありませんか?
トラックに載る分だけ積んでくれる、柔軟でお得そうな形に見えますよね。
実際に安くなります。ただし、積み切りは「載らなかった荷物は運ばない」という契約です。ここを分かって選んだ人は得をして、分からずに選んだ人は当日いちばん揉めます。
この記事では、積み切りで料金が下がる仕組み、トラックの大きさごとに載る量の目安、積み残しが出たとき現場で実際に何が起きるかを、営業の実務からお伝えします。

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そもそも引越しの「積み切り」とは?
積み切りとは、あらかじめ決めた大きさのトラックに、積める分だけ積んで運ぶ契約です。
通常の引越しは「この荷物を全部運ぶ」のが約束で、荷物に合わせてトラックの大きさと台数を業者が決めます。積み切りは逆で、トラックの大きさを先に決めて、荷物のほうをそこに合わせます。
「載るだけ載せる」と聞くと融通が利きそうですが、正確には「載らなかった分は運ばない」契約です。ここが一番大事なところなので、先に書いておきます。
私は積み切りを受けています
積み切りを断る会社もありますが、私は受けています。近距離だけでなく、長距離の積み切りもあります。
ただし、受けるのは「2トンロング1台の積み切りでもいい」と本気で思っているお客様だけです。
「本当は全部運びたいけど、安いから積み切りで」という方には向きません。理由はこの後で書きますが、載らなかった荷物は置いていくことになるからです。
積み切りで料金が下がる仕組み
積み切りが安くなる理由は、値引きではありません。トラックを1サイズ小さくできるからです。
たとえば荷物の量からすると3トン車が必要なお客様が、「2トンロングに載る分だけでいい」と決めれば、車が1サイズ下がります。これで近距離なら1万〜3万円ほど下がります。
長距離になると差はもっと大きくなります。長距離は車の大きさで料金が大きく変わるので、1サイズの差がそのまま数万円単位で出ます。
つまり積み切りは、業者に値切っているのではなく、お客様が「運ぶ量を減らす」という自分で動かせるレバーを引いて、結果として安くなる形です。単価は下がっていないので、業者側も嫌がりません。
トラックの大きさ別、載る量の目安
積み切りを選ぶかどうかは、「自分の荷物がそのトラックに載るか」で決まります。営業が頭の中で使っている換算を、そのまま書きます。
| トラック | ダンボール換算の目安 |
|---|---|
| 2トンショート | 約100箱 |
| 2トンロング | 約150箱 |
| 3トン | 約200箱 |
| 4トン(大型) | 約350箱 |
これはダンボールだけを積んだときの目安です。冷蔵庫・洗濯機・ベッド・ソファのような大物は、この箱数を大きく食います。大物が多い家ほど、実際に載る箱数は表より少なくなります。
正直に言うと、この判断は素人の方にはできません。営業は10年やっているから見ただけで分かりますが、初めて引越しをする方が「うちの荷物は2トンロングに載る」と見切るのは無理があります。
だから積み切りを考えるなら、見積もりのときに「この荷物、2トンロングに全部載りますか」と営業に聞いてください。載る・載らない・ギリギリ、のどれかを答えます。「ギリギリ」と言われたら、後で書く「損する人」になる可能性が高いです。
積み残しが出たら、現場では何が起きるか

ここが、積み切りを選ぶ前にいちばん知っておいてほしいところです。
トラックに載らなかった荷物は、基本的に置いていきます。状況によって多少の違いはありますが、原則はこれです。
「じゃあもう1便お願いします」と言われることもあります。追加便はもちろん有料です。当日中にもう1往復できることもありますが、基本は後日になります。トラックも作業員も、その日は次の現場が決まっているからです。
問題は、その日に部屋を明け渡さなければいけない引越しです。当日退去なのに荷物が残った、というケースは、正直目も当てられません。置いていった荷物を後日どうやって運ぶのか、その日の夜どこに置くのか、退去の立ち会いはどうするのか。全部その場で考えることになります。
積み残しの後始末の依頼は、私のところにも来ます。急な依頼なので通常の料金では受けられず、特別料金で対応するしかありません。積み切りで浮かせた1万〜3万円は、ここで簡単に消えます。
「まだ載るから、これも載せて」は通りません
積み切りで当日いちばん多い揉め方が、これです。
配車の都合で、契約より大きなトラックが来ることがあります。2トンロングで契約したのに、3トン車が来た。荷台に余白がある。そこでお客様が「まだ載るなら、置いていくはずだったこれも積んでほしい」とおっしゃいます。
ですが、積むのは契約した2トンロングの分までです。それ以上を積むなら追加料金になります。大きい車が来たのは業者側の都合であって、契約の量が増えたわけではないからです。
ここで「載るのに積んでくれない」と揉めるお客様が本当に多いんです。だから私は見積もりのときに、必ずこう言います。
「載らないものは運べません」
当たり前に聞こえるかもしれませんが、この一言を見積もりの段階で聞いていたかどうかで、当日の空気がまったく違います。
これは以前お話しした荷物を少なめに伝えると逆に損する話と同じ筋です。当日の荷物量が契約と違うほど、現場は揉めます。
積み切りで得する人、損する人
線引きは一つだけです。
得する人は、荷物を全部そのトラックに詰めきった人。ギリギリでも載れば、通常の見積より1サイズ分安く引越しが終わります。積み切りはこの人のための契約です。
損する人は、全部詰めきれなかった人。浮かせたお金より、残った荷物の後始末のほうが何倍も大変になります。時間も、お金も、気持ちも削られます。
同じ「積み切り」なのに、載ったか載らなかったかで天国と地獄に分かれる。だから受けるのは「2トンロングに載る分でいい」と本気で決めている人だけ、と私は線を引いています。
積み切りを選ぶ前に、やっておくこと
積み切りにするなら、次の順番で進めてください。
- 運ぶ物と捨てる物を先に分ける。捨てる物は引越し前に処分を終わらせる
- 大物(冷蔵庫・洗濯機・ベッド・ソファ・棚)を数え、ダンボールの箱数をおおよそ出す
- 見積もりで営業に「この荷物、2トンロングに全部載りますか」と聞く
- 「ギリギリ」と言われたら、1サイズ上の通常見積と料金を比べる
- それでも積み切りにするなら、載らなかった物は置いていく前提で、置いていってもいい物を先に決めておく
5番目が一番大事です。「何を置いていくか」を当日決めるのではなく、事前に決めておく。これができる人は積み切りに向いていますし、決められない人は通常の見積にしたほうが結局安く済みます。
読者からよくある質問
Q. 積み切りをやっている会社は避けるべきですか?
いいえ。私も受けています。積み切りそのものが悪いのではなく、「載らない物は運ばない」という契約を分からずに選ぶことが揉める原因です。
Q. 積み切りはどれくらい安くなりますか?
3トン車が必要な荷物を2トンロングの積み切りにした場合、近距離で1万〜3万円ほどです。長距離はもっと差が出ます。安くなる理由は車を1サイズ落とすことなので、荷物が最初から2トンロングに載る量なら、積み切りにしても安くなりません。
Q. 契約より大きいトラックが来たら、余った分に積んでもらえますか?
積むのは契約したトラックの分までです。それ以上は追加料金になります。大きい車が来たのは業者の配車の都合で、契約の量が増えたわけではありません。
Q. 載らなかった荷物はどうなりますか?
基本的に置いていきます。追加便を出す場合は有料で、当日中に来られることもありますが基本は後日です。当日退去の引越しで積み残しが出ると、その日のうちに打つ手がほとんどなくなります。
Q. 荷物の量は自分で判断できますか?
難しいです。営業でも見て判断するのに10年かかっています。大物の数と箱数を出して、見積もりのときに営業に「載りますか」と聞くのが一番確実です。
まとめ:積み切りは「載らない物は運ばない」契約
- 積み切りは、トラックの大きさを先に決めて荷物をそこに合わせる契約。載らなかった分は運ばない
- 安くなる理由は車を1サイズ落とすこと。近距離で1万〜3万円、長距離はもっと差が出る
- 載る量の目安は、2トンショート約100箱、2トンロング約150箱、3トン約200箱、4トン約350箱。大物が多いほど減る
- 積み残しは基本置いていく。追加便は有料で基本後日。当日退去は特に危ない
- 大きい車が来ても、積むのは契約した分まで。「載らないものは運べません」
- 得するのは全部詰めきった人、損するのは詰めきれなかった人。置いていく物を事前に決められる人だけが向いている
積み切りは、分かって選べばちゃんと安くなる、まっとうな頼み方です。ただ、分からずに選ぶと当日いちばん揉めます。この記事で「載らない物は運ばない」という一点だけ持ち帰ってもらえれば、それで十分です。
こちらの情報が、皆様に役立てたら嬉しく思います。
引越しに関する投稿をお送りしようと思います。
今後とも宜しくお願い致します。
また、皆様からの質問やご意見お待ちしております。
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