エレベーターの有無で引越し料金は変わるのか。結論から言うと、変わります。ただし多くの方が心配している所とは、変わる場所が違います。

よくいただくのが「うちのエレベーターに冷蔵庫やソファが入るでしょうか」というご相談です。先に答えてしまうと、そこはほとんど心配いりません。料金が動くのは別の所です。

この記事では、入るか入らないかの話を先に片付けたうえで、実際に金額が動く条件を、営業の側からお話しします。

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「エレベーターに入るか」は、ほぼ心配いりません

ネットで「エレベーター 搬入 サイズ」と調べると、扉の幅や天井高を測るよう書かれた記事がたくさん出てきます。あれは家具屋さんの搬入基準です。引越とは前提が違います。

家具屋さんは、買ったばかりの完成品を、傷ひとつ付けずに一発で入れなければいけません。だから寸法にシビアになります。引越屋は分解できます。ここが決定的に違うところです。

エレベーターに段ボールを積み込む様子

大物で使うのは「狭いほうの辺」

大きな家財には、縦・横・奥行きの3辺があります。エレベーターに乗せるとき、作業員が通そうとするのは横と奥行きのうち、狭いほうの辺です。

大物と言われるものでも、この狭いほうの辺はだいたい70cm前後に収まります。一方、マンションでよく使われる9人乗りエレベーター(積載600kg)の扉は、有効幅80cm・高さ2mが標準です(JIS A 4301/各メーカーの規格)。かごの中は間口105cm・奥行152cm・高さ2m20cmほどあります。

つまり寸法の上では、まず通ります。経験上、大物の99%はエレベーターに乗ります。

高さがあるものも、斜めに傾ければ入ります。かごの中は扉より高いので、扉さえくぐれば中で立てられるんです。

そもそも分解して運びます

3人掛けソファ、ベッド、タンス。このあたりはほとんどが分解できます。搬出のときに作業員が分解して運び、搬入先で組み立て直します。完成品のまま運ぶ前提で心配する必要はありません。

マットレスも、意外と伸縮性があります。カバーが掛かっていることもあって、エレベーターであれば何とか通せるものがほとんどです。

万一入らなくても、料金は上がりません

それでも入らないものが出た場合は、その1点だけ階段で運びます。1点2点のことなので、それで金額が変わることはありません。

エレベーターにも階段にも通らず、クレーンを手配することになる——という話も聞きますが、私の経験では0.001%以下です。心配していただく必要はまず無いと思っています。

料金が変わるのは「4階から」です

では、どこで変わるのか。エレベーターが無い建物の、4階以上です。

階段で段ボールを運ぶ引越しスタッフ
階段作業は時間も費用も余計にかかります

3階までは、変えてこない会社が9割

はっきり申し上げると、階段作業の規定は会社ごとに違います。一律の料金表は作れません。ここを断定している記事は、正直あまり信用しないほうがいいと思います。

そのうえで、現場の体感をお伝えします。3階までは料金を変えてこない会社が9割ほどという感覚です。エレベーター無しの3階でも、加算されずに出てくることが多い。

本格的に金額が変わるのは、階段の4階以上からです。

4階以上は「作業員を1名足す」から上がる

なぜ4階かというと、作業員を1名増やすことが多くなるからです。人が増えれば、その分がそのまま金額になります。

目安として、2tトラックの案件で 5,000円〜15,000円+税というあたりです。

条件加算の目安
エレベーターあり階数にかかわらず、ほぼ加算なし
階段 3階まで変えてこない会社が体感9割
階段 4階以上(2t車)5,000〜15,000円+税(作業員+1名ぶん)

トラックのサイズが上がるほど、この加算も上がる傾向にあります。2tより3t、3tより4tと、荷物が増えれば増えるほど階段作業の負担も比例して重くなるからです。

もうひとつ、あまり言われないことを。大手や、逆に個人でやられている会社のほうが、加算が高く出る傾向があります。中堅どころが一番おとなしい、という感覚です。

「エレベーターあり」と伝えて、実際は無かった場合

ここだけは注意してください。見積のときに「エレベーターあります」とお伝えいただいて、当日に実は無かったと判明した場合、追加を請求する会社があります。

逆に「エレベーターありと聞いていて、実際もあった」なら、当日に何か足されることはありません。申告が事実と合ってさえいれば、当日の追加は起きません。

それでも高いと感じたら

4階以上の加算が付いた見積書を見て、それでも高いと感じたら。相見積もりを取るのが一番はっきりします。

ただ、3社に来てもらうと半日仕事です。時間が無い方には、訪問を飛ばす方法が2つあります。

  1. 手元の見積書を、他社にメールで送る。紙に条件と金額が書いてあれば、それを見て金額を出せます
  2. 受付に見積書の内容を伝えて、聞いてみる。電話1本で済みます

ひとつ正直にお伝えしておくと、荷物量が多い場合は「念のためリモートか訪問で見せてください」と言われる確率が非常に高いです。断られているわけではありません。荷物量が読めないと、責任を持った金額が出せないからです。この方法が効くのは、単身や荷物が少なめのケースだと思っていただくのが正確です。

そして大事なのはここです。他社の金額を伝えるのは、値切るためではありません。条件が揃っていない見積書同士を並べても、高いか安いかは判断できません。同じ条件で並べるために伝える、と考えてください。

送り先はどこでも構いません。もしよければ、この記事の中にある無料の見比べもお使いください。

実は階段より効くことがある「横持ち」

最後に、あまり知られていない条件を。横持ち(よこもち)と言います。

トラックを停めた場所から玄関まで、荷物を手で運ぶ距離のことです。この距離が50m以上になると、料金が1.1倍〜になることがあります。

理由は2つです。

  • 単純に作業時間が伸びる。往復の距離がそのまま時間になります
  • 人区(にんく)を増やさないといけない可能性がある。人区とは作業員の人数のことで、距離が長いと人を足さないと時間内に終わりません

エレベーターがある建物でも、トラックが敷地に入れない、棟が奥にある、といったロケーションでは横持ちが発生します。階段の加算より、こちらのほうが効くケースがあります。

こればかりはロケーション次第なので、見積のときに「トラックはどこに停められますか」と聞かれたら、正確にお答えいただくのが結局いちばん安全です。

まとめ

  • エレベーターに入るかは、ほぼ心配いらない。大物の狭い辺は70cm前後、扉は80cm。入らないものは分解して運ぶ
  • 万一入らなくても1点2点。それで料金は上がらない
  • 料金が動くのはエレベーターが無い4階以上。作業員+1名で、2t車なら5,000〜15,000円+税が目安
  • 3階までは変えてこない会社が体感9割。ただし規定は会社ごとに違うので、一律の表は作れない
  • 「エレベーターあり」と伝えて実際は無かった場合は、当日に追加されることがある。申告は正確に
  • 横持ち50m以上で1.1倍〜。階段より効くことがある
  • 高いと感じたら、見積書をメールで送る/受付に内容を伝えるで確かめられる。ただし荷物が多いとリモート・訪問を求められる

費用を抑える工夫は「引越料金を安くする方法その1」でもまとめています。あわせて読んでみてください。

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下げられることが多い

  • 近距離の引越し(東京↔神奈川など)
  • 処分品が多い引越し(他社は処分料金が高めです)
  • 相見積のお相手が大手の引越会社(大手は料金が高めです)

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  • 長距離の引越し(大手のほうが安いことが多いです)

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