お世話になっております、清光です。
引越営業を10年、見積は1万件以上こなしております。
その経験を活かして、皆様に引越に関する有益な情報をお送りできればと思い、日々投稿活動をしております。

引越しの見積もりで「午前便」「午後便」「フリー便」と言われて、何がどう違うのか、どれを選べば料金が安いのか、迷ったことはありませんか?

先に結論だけ言うと、料金の差は5,000円から1万円ほどです。そして多くの方が「じゃあ安いほうで」と決めます。

ただ、私が見積もりの現場で見てきた限り、この選択は料金ではなく「その日の外側の予定」で決まります。役所、鍵、退去の立ち会い。この3つを先に確認しないまま安いほうを選ぶと、当日に詰まります。

午後の日差しが差し込む部屋に積まれた段ボール
時間帯しだいで料金は変わります

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午前便・午後便・フリー便は、それぞれ何時に始まるのか

引越しの時間帯は、大きく3つに分かれます。呼び方は会社によって大きく変わりません。だいたいどの引越し会社でも同じ意味で使われています。

種類 作業開始 料金の目安
午前便 8時〜9時 いちばん高め
午後便 12時〜18時(遅くて19時) 午前より割安
フリー便 業者におまかせ いちばん安め

午前便は朝イチ開始なので一日が読めます。荷物量にもよりますが、おおむね12時ごろには搬入まで終わります。人気で埋まりやすい枠です。

午後便で大事なのは、開始時刻が当日まで確定しないという点です。午前の現場が終わってから向かうため、前の作業の進み方で前後します。多くの会社では、引越しの前日に「だいたいこの時間になります」という連絡が入ります。

フリー便は開始時間を引越し会社に任せるプランです。午後便よりさらに幅が広く、そのぶん安くなります。

正直に言うと、私たち業者がいちばん組みやすいのはフリー便です。その日のトラックと人の動きに合わせて差し込めるので、そのぶん料金を下げてご案内できるんです。逆に時間を午前に固定すると、その枠を確保するコストが上乗せされます。これが料金差の正体です。

料金差は5,000円から1万円

午前便と午後便で、料金の差はおおむね5,000円から1万円です。距離や荷物量によって変わるので幅がありますが、感覚としてはこの範囲に収まります。

「半額になる」ようなものではありません。1日の使い方を大きく変えるほどの金額ではない、というのが正直なところです。

なお、荷物が増えると料金全体が上がります。ご家族が増えて荷物量が変わると、1.2倍程度になると考えておくと、見積もりを見たときの驚きが減ります。

住宅街で作業する引越しトラックとスタッフの後ろ姿

「午後便は何時になるか分からない」の実態

午後便でいちばん心配されるのが、開始時刻が読めないことです。「夜になったらどうしよう」という不安はよく聞きます。

実態を書きます。繁忙期以外であれば、作業員は16時ごろには撤収しています。極端に遅くなる可能性は低い、というのが現場の感覚です。

ただし繁忙期は別です。この時期は1日に詰め込む件数が増えるので、前の現場が押せばそのまま後ろにずれます。

そして繁忙期は、ざっくり「3月と4月」ではありません。特に混むのはこの3つの期間です。

  • 2月20日ごろから2月末
  • 3月10日ごろから3月末
  • 4月の第2日曜まで

3月の上旬は、この3つの間に入る谷です。月初は退去日が重なるので決して空いてはいませんが、それでも3月初旬は2月末より安くなります

つまり、同じ3月でも上旬なら動かしやすいということです。ここを狙えれば、午後便を選んでも遅れをそれほど心配しなくて済みますし、そもそも料金自体が繁忙期価格になりません。日程に融通が利くなら、覚えておいて損はありません。

逆に上の3つの期間にかかるなら、午後便は夕方以降になる前提で組んでください。

料金より大事な3つの予定

冒頭に書いたとおり、時間帯の選択は引越し作業そのものではなく、その日の「外側の予定」で決まります。3つあります。

① 役所の手続き

転入届などの窓口は、多くの自治体で平日の8時30分から17時です。自治体によっては第2・第4土曜日に窓口を開けているところもありますが、基本は平日の日中だと考えてください。

ここで時間が効いてきます。

  • 午前便なら12時ごろに作業が終わるので、午後に役所へ行けます
  • 午後便は12時から18時が作業時間なので、その日に役所へ行くのはほぼ無理です

なお、転入届そのものは「引越しから14日以内」に出せばよいので、当日にやる必要はありません。遅れると過料の対象になることもあるので早めがいいのは確かですが、当日でなくても構いません。

問題になるのは、平日に休みを取れるのがその日だけの場合です。引越しのために1日休みを取ったなら、手続きも同じ日に片づけたい。そういう組み方をするなら、午前便のほうが圧倒的に動きやすくなります。

平日に休みを取って引越しをするなら、午前便をおすすめします。差額の5,000円から1万円は、もう1日休みを取ることに比べれば安いはずです。

② 鍵の受け取り

意外と見落とされるのがここです。

新居の鍵は、契約開始日に不動産会社で受け取るのが原則です。契約者本人が印鑑を持って行くことが多く、受け取れるのは不動産会社の営業時間内です。

つまり、午前便で8時から9時に作業を始めるなら、その時間に不動産会社はまだ開いていません。

対処法は決まっています。前日までに鍵を受け取っておくことです。多くの場合、前日の夕方以降であれば受け取れます。ただし当日いきなり相談しても間に合わないので、引越し日が決まった時点で、不動産会社に「前日に鍵を受け取れますか」と聞いておいてください。

ひとつ注意点があります。鍵の受け渡し日を後ろにずらすことはできますが、家賃は契約開始日から日割りで発生します。「鍵をもらうのを遅くすれば家賃も遅くなる」わけではありません。

逆に、どうしても当日の午前中にしか鍵を受け取れないという事情があるなら、そのときは午後便が正解です。荷物を積んだトラックが新居の前で待っている、という状態を避けられます。実際、鍵の受け取りが間に合わずにお客様が遅れて来ることは、現場で起きています。

③ 退去の立ち会いと、新居の現況チェック

旧居の退去立ち会いは、荷物をすべて運び出したあとに行うのが一般的です。所要時間は30分から1時間。管理会社の担当者と一緒に部屋の状態を確認します。

ここで時間帯が効きます。退去時は照明も外しているので、暗くなると部屋の状態が見えません。できるだけ明るいうちに行うのが理想です。

  • 午前便なら、搬出は午前中に終わるので、昼過ぎには立ち会いができます
  • 午後便だと、搬出が終わるのが夕方以降になり、冬場なら暗くなってからの立ち会いになります

さらに、引越しシーズンは管理会社の立ち会いの枠も埋まります。希望の日に取れないこともあるので、日程は早めに押さえてください。

そしてもうひとつ、新居側にも同じ理由で「明るいうちにやること」があります。

入居したら、元からある傷や汚れを写真に撮って、管理会社に送っておいてください。これをやっておかないと、次に自分が退去するときに「元からあった傷」の修繕費まで請求される可能性があります。管理会社によっては入居時のチェックリストを用意してくれるので、それに記入して写真を添えれば十分です。

  • 午前便なら、荷物を入れる前の明るい部屋で、傷を探して写真を撮れます
  • 午後便だと、搬入が終わるころには暗くなっていて、照明もカーテンもない部屋で傷を探すことになります

家具を置いてしまうと、その裏側は確認できなくなります。チェックは荷物を入れる前が理想です。

結局、どれを選べばいいのか

条件で分けます。

午前便が向いている方

  • 平日に休みを取って引越しをする(役所の手続きを同じ日に済ませたい)
  • 退去の立ち会いが同じ日にある
  • 荷物が多く、作業に時間がかかりそう
  • その日のうちに荷ほどきを進めて、翌日から普通に暮らしたい

午後便が向いている方

  • 当日の午前中にしか鍵を受け取れない
  • 土日祝に引越しをする(どのみち役所は開いていない)
  • 退去の立ち会いが別の日、または立ち会いなし

フリー便が向いている方

  • 単身で荷物が少ない(作業が短いので、遅く始まっても終わりが遅くなりにくい)
  • 引越し先が近い(退去立ち会いのために戻るのが苦にならない)
  • とにかく費用を抑えたい

単身の引越しで、土日に動くなら、午後便やフリー便の不利は小さいというのが実感です。逆に平日に休みを取っているなら、午前便を選んだほうが1日を使い切れます。

ご家族の事情での分け方は、フリー便で得する人・午前便が正解な人の記事で詳しく書いています。あわせて引越料金を安くする方法も知っておくと、時間帯選びの効果がさらに活きます。

当日に慌てないための5つ

最後に、現場でよく見る「もったいない失敗」を挙げておきます。午前便でも午後便でも共通です。

  1. 荷造りが終わっていない — いちばん多く、いちばん時間を食います
  2. 冷蔵庫の電源を切っていない — 前日までに電源を抜いて霜取りと水抜きが必要です
  3. 鍵の受け取りや退去立ち会いの予約をしていない — 上で書いたとおりです
  4. 引越し先までの移動手段を考えていない — 荷物はトラックで運ばれますが、自分がどう移動するかは別問題です
  5. インターネット回線の予約を忘れている — 工事が必要な場合、申し込みから開通まで時間がかかります

このうち3から5は、引越し会社が代わりにやってあげられない部分です。逆に言えば、ここさえ押さえておけば、午前便でも午後便でも当日は落ち着いて進みます。

まとめ

時間帯選びのポイントを振り返ります。

  • 料金差は5,000円から1万円。半額になるような差ではない
  • 午前便は8〜9時開始・12時ごろ終了。役所・立ち会い・新居チェックを同じ日にやるなら有利
  • 午後便は12〜18時開始。繁忙期以外なら16時ごろには撤収しているので、必要以上に怖がらなくていい
  • フリー便はいちばん安い。単身・近距離・予定が柔軟な方向け
  • 決め手は料金ではなく、役所・鍵・退去立ち会いという「外側の予定」

こちらの情報が、皆様に役立てたら嬉しく思います。
引越しに関する投稿をお送りしようと思います。今後とも宜しくお願い致します。
また、皆様からの質問やご意見お待ちしております。

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